NutaNice Xperience

主にNutanix製品を検証したり触ったりした結果をつづっています。※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。実際に製品を使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施してください。

HYCU Backup Controllerをアップグレードしてみる【Nutanix AHV】

この記事では、Nutanix AHV環境における、HYCU Backup Controllerのアップグレード方法を紹介します。

目次

今回の環境

AOS: 6.5.3.5 LTS
AHV: 20220304.420
HYCU Backup Controller 更新前: 4.7.1-183
HYCU Backup Controller 更新後: 4.8.0-3273

今回の作業イメージは以下の通りです。

ちなみに既存のHYCUバージョンは以下の通りです。今回は、このHYCUをアップグレードします。

HYCU Backup Controllerのアップグレード

▽はじめに、Nutanix AHV環境のPrism Webコンソールへログインし「イメージ設定」画面で、HYCUの新しいOSディスクイメージファイルをアップロードします。ディスクイメージファイルはHYCUのポータルサイトからダウンロードしてください。一点注意点ですが、イメージファイル名はアップロードするHYCUのバージョン名と必ず同じになるように名前を付けてください。(名前を間違えるとアップグレードに使えません)

イメージサービスへのアップロード方法は以下ドキュメントを参照ください。
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Web-Console-Guide-Prism-v6_5:wc-image-configure-acropolis-wc-t.html

https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=23

▽続いてHYCUコンソールへログインし「電源オプション」画面を起動します。

▽「電源オプション」画面にて「すべて一時停止」を選択して「Save」をクリックします。これによって、バックアップポリシーでスケジュールされているジョブなどのアクティビティがすべて停止します。※すでに実行中のジョブはそのまま終わるまで実行されます。

▽アクティビティが停止されると以下のようにHYCUコンソールに表示されます。※すでに実行中のジョブについてはジョブ画面にて完了しているかご確認ください。

▽ここまできたら、HYCUコンソールにて「ソフトウェアのアップグレード」を起動します。

▽「ソフトウェアのアップグレード」画面の「利用可能なバージョン」に、イメージサービスで事前アップロード済みのHYCUのディスクイメージが選択できるようになっていますので、対象のイメージを選択して「ソフトウェアのアップグレード」をクリックします。

▽最終確認のダイアログにて「はい」をクリックします。

▽アップグレードが開始されるとHYCUのコンソールから自動ログアウトされ、以下のような画面表示になります。

▽アップグレードが実行されると、新ディスクイメージファイルをもとに新しいHYCU Backup Controllerが作成され、旧 Backup ControllerのデータディスクやIPアドレスなどを引き継ぎます。アップグレード後も旧 Backup Controllerは停止状態で残ります。

▽アップグレード完了後、HYCUのWebコンソールにログインします。

▽アップグレード後のHYCUもアクティビティが停止状態になっていますので「電源オプション」を起動します。

▽「再開」を選択して「Save」をクリックします。

▽アクティビティが再開されたことが確認できます。

▽HYCUも対象のバージョンにアップグレードされていることが確認できました。

※停止済みの旧Backup Controllerも不要でしたら様子を見て削除します。

おわりに

今回はHYCU Backup Controllerのアップグレード方法を紹介しました。ちなみに、セキュリティパッチなどの修正プログラムのアップデートについては、少しやり方が異なるので、また別の機会に紹介できればと思います。

▽参考
HYCUのアップグレード
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=238

HYCUのバックアップポリシーにおける「アーカイブ」とは【Nutanix AHV】

前回の記事では、Nutanix AHVにおけるHYCUの「Backup From Replica」について紹介しました。今回は「アーカイブ」について紹介します。

HYCUの「アーカイブ」の紹介

HYCUでは以下のように「アーカイブ」というバックアップオプションが提供されています。

このオプションは、メーカードキュメントでは以下のように紹介されています。

<アーカイブ>
長期保管目的でデータを保存できます。

<引用元>
HYCUユーザーガイド > カスタムポリシーの作成
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=59

長期保管目的ということが分かりましたが、実際どのように使うのか触ってみました。アーカイブのターゲットは色々と選べるのですが、パブリッククラウドのオブジェクトストレージが主なターゲットになるかと思います。構成例は以下の通りです。

▽1つ目の例としては、HYCUで外部にバックアップを取りつつ、クラウドのオブジェクトストレージにも長期保管目的でアーカイブを保管するというものです。監査対応など長期保管が必要なデータなどがある場合に、バックアップとアーカイブをうまく使い分けて利用するといったイメージです。

▽2つ目の例として、外部バックアップを取得せずに、ローカルスナップショットから直接クラウドストレージへアーカイブをすることも可能です。これは外部に物理的なバックアップ環境を持ちたくないが、長期保管が必要なデータがあるといったケースで使えそうですね。

ちなみにアーカイブから仮想マシンをリストアすることも可能となります。

バックアップとアーカイブの違い

アーカイブが長期保管目的の機能ということは分かりましたが、結局通常のバックアップと何が違うの?と感じる方もいらっしゃると思います。

これは筆者の見解ですが、アーカイブでは、通常のバックアップポリシーのスケジュールとは別で、独自のアーカイブスケジュールをターゲットに対して設定できることがポイントになるかと思います。

イメージとしては以下のような感じです。

▽画面で見ると、通常のバックアップスケジュールは以下のように、ポリシー画面で設定します。

▽それに対して、アーカイブのスケジュールは、別途設定画面があり、以下のようにアーカイブ先となるターゲットを指定して個別に設定することになります。

▽ターゲットを含むアーカイブスケジュールを作成したら、設定したアーカイブ名をポリシー画面で指定するといった具合です。

ちなみに、これまでの記事で説明してきた「Fast Restore」や「コピー」、「Backup From Replica」などでは、バックアップポリシーとは別にスケージュール(バックアップ頻度)を設定することはできません。

そういった意味でも、アーカイブは通常のバックアップとは別にアーカイブ独自のスケジュールを設定して長期保管を取得する、といった使い分けができるようにHYCUでは設計されているものだとお考えいただくとよさそうです。

以上、今回は「アーカイブ」の紹介でした。

HYCUのバックアップポリシーにおける「Backup From Replica」とは【Nutanix AHV】

※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。また、このブログで紹介している製品や機能を実際に使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施することを推奨します。

前回の記事で、Nutanix AHVにおけるHYCUの「コピー」について紹介しました。今回は「Backup From Replica」について紹介します。

HYCUでは以下のように「Backup From Replica」というバックアップオプションが提供されています。

このオプションは、メーカードキュメントでは以下のように紹介されています。

<Backup from replica>
Nutanixクラスターにのみ使用できます。リモートオフィス/ブランチオフィス( ROBO) 環境のレプリカから仮想マシンおよびボリュームグループをバックアップできます。
<引用元>
HYCUユーザーガイド > カスタムポリシーの作成
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=60

[BACKUP FROM REPLICA]
Nutanix 保護ドメインを活用し、Nutanix リモートクラスタ上のVM からバックアップをする場合、ローカルにレプリケートされたレプリカからバックアップを実行します。 
<引用元>
HYCU 簡易手順書 > ポリシー設定
https://download.hycu.com/docs/misc/downloadarea/HYCU/release/4.8.0/JPN/Evaluation_guide_for_vm_v4.8.0.pdf#page=35

これをはじめに読んだときに、リモートのVMからのバックアップってどういう意味?と思ったのですが、色々調べてみたところ以下のように理解しました。

つまり、プライマリサイトでもリモート拠点でも表現は何でもよいが、Nutanixの本番環境のクラスターから、Async DRで別のNutanixクラスターへレプリケーションされてきた仮想マシンなどのスナップショットを用いて別のターゲットにさらにバックアップを取得するということです。レプリケーションされてきたレプリカからバックアップを取得するので、Backup From Replicaと呼ばれるのですね。この場合、HYCU Backup Controllerはレプリケーション先のクラスター上に存在することになります。

NutanixのAsync DRではレプリケーション先のクラスターの事をリモートサイトと呼ぶ傾向があるので、レプリケーション元の環境をHYCUでリモート拠点と表現されてしまうと、少し混乱してしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。

ちなみにこの機能ですが、HYCUの管理下でプライマリサイトでもリモートサイトでも自由なところに仮想マシンをリストアできるといった特長もあります。

HYCUがリモート拠点やROBO環境からのバックアップと呼んでいることからも、この機能は複数拠点からのレプリケーションを想定している機能であるとも考えられそうです。

例えば以下のようなイメージです。

このように、複数拠点からレプリケーションされたスナップショットを一か所に集約し、HYCUでさらに外部バックアップを取りつつ、DRリストアも管理するといったような、HYCUによるバックアップDRの統合管理的な側面をもった機能としても使えそうですね。これはあくまで筆者の見解ではありますが、いづれにせよ少し規模大きめの環境に適用できそうな気がしました。

以上、今回はBackup From Replicaの紹介でした。

次回は「アーカイブ」について書いてみたいと思います。

HYCUのバックアップポリシーにおける「コピー」とは【Nutanix AHV】

※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。また、このブログで紹介している製品や機能を実際に使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施することを推奨します。

以前の記事で、Nutanix AHVにおけるHYCUの「FAST RESTORE」について紹介しました。今回は「コピー」について紹介します。

HYCUでは以下のように「コピー」というバックアップオプションが提供されています。

大体想像がつくかもしれませんが、このコピーというオプションは1次バックアップ先から、さらに別のターゲットとなるファイルサーバーなどにバックアップデータをコピー転送できる機能です。

▽実際に設定する際は、HYCUのBackup Controllerに最低2つのターゲットを登録します。

▽そしてポリシー画面にて、コピー先を指定するイメージです。

仮想マシンにポリシーを割り当てて、ポリシーが実行されると、復旧ポイントやジョブレポートからコピーが実行されていることが分かります。

今回はこの辺で。

次回: HYCUのバックアップポリシーにおける「Backup From Replica」とは

HYCUでこってりマシマシオプション全部乗せポリシー弁当はいかがでしょうか?

こちらは2023.08.23に開催したNutanix Meetupの資料です。Nutanix AHVでのHYCUのオプションについて紹介していますので、ご参考にしていただければ幸いです。

speakerdeck.com

ちなみにオプションマシマシ設定で5次バックアップまでいけました!

また次回。

HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法② ~復旧用 HYCU BC 編~ 【Nutanix AHV】

※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。また、このブログで紹介している製品や機能を実際に使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施することを推奨します。

この記事は以下の通り連載です。
HYCU Backup Controller自身の保護について
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法①
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法②

目次

はじめに

前回の記事では、Nutanixのプロテクションドメインを使用したHYCU Backup Controllerのスナップショット・リストアについて紹介しました。今回は、復旧用のHYCU Backup Controllerを使用した、HYCU Backup Controllerのリストア方法について紹介します。

※HYCUのドキュメントでは本記事の手順が詳しく紹介されていますので、実際に運用される場合は、前回記事の手順よりも本記事の手順を優先されることを推奨します。

1. 今回の環境

ソースクラスター: Nutanix AOS 6.5.3.5 LTS AHV 20220304.420
HYCU Version: 4.8.0-3273
外部保管用のファイルサーバー: Windows Server 2019

AHV上に作成したHYCU Backup Controllerのコンソールを使用して、以下のようにAHV VMのバックアップを外部に取得しているといった環境を想定します。

2. HYCUのポリシーでHYCU自身の外部バックアップを取得

HYCUで作成したバックアップポリシーは、Backup Controller自身にも配布することができます。今回はHYCU自身のバックアップを外部のファイルサーバーに保存します。

今回は外部保管用のファイルサーバーとして、あらかじめ作成済みのWindows Server 2019の共有フォルダをBackup Controllerからターゲットとして設定済みです。

▽はじめにHYCUコンソールの「ポリシー画面」にて、新しいポリシーを作成します。今回は、毎時バックアップ24時間保存のスケジュールにて、外部のファイルサーバーをターゲットとして保存するポリシーを作成しました。

▽作成したポリシーを仮想マシン一覧からHYCU Backup Controllerに割り当てます。

▽ポリシーを配布すると、スケジュールに従って自動でバックアップが実行されます。取得されたバックアップは以下の通りです。

3. HYCU Backup Controllerで障害を発生させる

ここからはHYCUに疑似障害を発生させます。今回は、HYCU Backup Controllerの仮想マシンを強制停止し、vDISKを削除してデータが消失した状態を作ります。以下のようなイメージです。

▽Prismの仮想マシン画面から、Backup Controllerを強制パワーオフします。

▽HYCUが停止したら仮想マシンの編集にてvDISKを削除します。

▽vDISKを削除したのでストレージ容量も0となりました。

4. 復旧用のBackup Controllerを作成しAHV環境を登録

障害が発生したHYCU Backup Controllerを復旧するために、新しいBackup Controllerを一時的に作成します。クラスター自体に障害が発生している場合は、クラスターを復旧させてから作業を実施してください。(※今回はAHVでの操作)

▽はじめにAHVのイメージサービスに登録したHYCUの仮想マシンイメージから新しくBackup Controllerをデプロイします。割り当てるネットワークやDNSなどは環境に応じて適切な値を設定します。以下は、新規作成済みの復旧用Backup Controllerです。

※HYCUのデプロイ方法は以下記事をご参照ください。
HYCUでNutanix AHVのVMをバックアップ Part.1(HYCU Backup Controller の導入)

▽復旧用Backup Controllerにブラウザからログインし、対象となるAHVクラスターをソースとして登録しておきます。

※ソースの登録方法は以下記事をご参照ください。
HYCUでNutanix AHVのVMをバックアップ Part.2(バックアップソースの追加)

5. 復旧用Backup Controllerに外部バックアップをインポート

続いて、復旧用Backup Controllerのコンソールから、ターゲットのインポートを実施して、外部バックアップにアクセスできるようにします。

▽HYCUのコンソール「ターゲット画面」より「インポート」から外部バックアップ保管先の情報を入力してインポートします。今回は、Windows Serverの共有フォルダを保管先として使用しています。

▽次の画面で、障害が発生したBackup Controllerで設定していたターゲット名を選択して、インポートを実行します。

インポートしたターゲットは読み取り専用となり、復旧用Backup Controllerは復旧モードに切り替わります。このモードでは、仮想マシンやBackup Controllerを復元することはできますが、ターゲットへのバックアップ処理は実行できません。

6. HYCU Backup Controllerのリストア

インポートしたターゲットの外部バックアップから、元のBackup Controllerをリストアします。

▽復旧用Backup Controllerのコンソールにて、仮想マシン一覧から元のBackup Controllerを選択し、最新の復元ポイントから「VMの復元」をクリックします。

▽「VMの復元」を選択して「次へ」をクリックします。

▽リストア先のストレージコンテナやリストア元のバックアップの選択、その他仮想マシンのリソースやネットワークの設定をして「次へ」をクリックします。

▽復元の完了は「ジョブ画面」や「イベント画面」で確認できます。

▽NutanixのPrismでも、リストアされた元のBackup Controllerが起動していることが分かります。

復元が完了したら、復旧用のBackup Controllerのコンソールからはログアウトし、仮想マシンも停止しておきます。(最終的に不要になったら削除でOK)

7. 復元したBackup Contorollerにてアクティビティの再開

▽Backup Controllerのリストア後は、元々のポリシーで設定している仮想マシンバックアップなどのアクティビティが勝手に実行されないように一時停止されています。

▽アクティビティを再開するには「電源オプション画面」を起動して「再開」を選択後「Save」をクリックします。

▽アクティビティ再開後には、元々のバックアップポリシー通りにバックアップジョブが再開されます。

おわりに

今回は、復旧用のHYCU Backup Controllerを使用した、HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法について紹介しました。この方法では、プライマリクラスターの災害などでデータが破損してしまった場合でも、外部バックアップからBackup Controllerをリストアできます。HYCUの保護方法としてご参考にしていただければ幸いです。

次回も何かHYCUについて書きたいと思います。

HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法① ~Nutanix スナップショット編~ 【Nutanix AHV】

※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。また、このブログで紹介している製品や機能を実際に使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施することを推奨します。

この記事は以下の通り連載です。
HYCU Backup Controller自身の保護について
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法①
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法②

目次

はじめに

前回の記事では、HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストアについて紹介しました。今回は、前回の記事の中で紹介した、Nutanixのプロテクションドメインを使用したBackup Controllerのリストアについて紹介します。

1. 今回の環境

ソースクラスター: Nutanix AOS 6.5.3.5 LTS AHV 20220304.420
HYCU Version: 4.8.0-3273

AHV上に作成したHYCU Backup Controllerのコンソールを使用して、以下のようにAHV VMのバックアップを外部に取得しているといった環境を想定します。

2. Nutanixのプロテクションドメインでローカルバックアップを取得

Nutanixでは「Async DR」というネイティブのバックアップ・DR機能が提供されています。Async DRではプロテクションドメイン(Protection Domain)と呼ばれる保護グループを作成し、クラスター上の保護したい仮想マシンやボリュームグループを追加します。その後、作成したプロテクションドメインにスナップショットやレプリケーションのスケジュールを適用するイメージとなります。

▽今回はNutanixクラスターのPrism Element Webコンソールから、HYCU Backup Controllerを追加したプロテクションドメインを作成しました。(※ HYCUインスタンスについては割愛)

▽また、このプロテクションドメインには、日次バックアップでローカルに3世代スナップショットを保管するスケジュールを設定しています。

▽このプロテクションドメインで以下のようにスナップショットを取得しておきます。

3. HYCU Backup Controllerで障害を発生させる

ここからはHYCUに疑似障害を発生させます。今回は、HYCU Backup Controllerの仮想マシンを強制停止し、vDISKを削除してデータが消失した状態を作ります。以下のようなイメージです。

▽Prismの仮想マシン画面から、Backup Controllerを強制パワーオフします。

▽HYCUが停止したら仮想マシンの編集にてvDISKを削除します。

▽vDISKを削除したのでストレージ容量も0となりました。

4. プロテクションドメインのスナップショットからリストア

Nutanixのプロテクションドメインで取得済みのローカルスナップショットから、HYCU Backup Controllerをリストアしてみます。

▽Prismの「データ保護」画面にて、ローカルスナップショットを選択し「Restore」をクリックします。

▽復旧する仮想マシン(hycu-bc)を選択し「既存のエンティティを上書き」を選択して「OK」をクリックします。「既存を上書き」の場合、静的IPをそのまま引き継いでリストアすることが可能です。

▽リストアされた仮想マシンを右クリック→「Power on」で起動します。

仮想マシン起動後はIPアドレスも引き継がれていることが分かります。

 ※VM起動後は10分程度待機します。

▽リストアしたHYCU Backup Controllerのコンソールへログインすると、障害前のようにHYCUのバックアップ環境が利用できます。

おわりに

今回はNutanixのプロテクションドメインを使用したHYCU Backup Controllerのスナップショット・リストア方法を紹介しました。この方法はNutanixのローカルスナップショットからのリストアとなりますが、もちろん外部にBackup Controllerのバックアップを取得してリストアすることも可能です。

次回の記事では、HYCU自身の手順でBackup Controllerを外部バックアップからリストアする方法をお見せしたいと思います。