前回の記事では、Nutanix AHVで物理的にネットワークを分けるDRネットワークを作成しました。今回は、DRネットワークを作成した2つのクラスター間で、Async DRのリモートサイト登録をしてみました。
ちなみにDRネットワークでは、サイト間で異なるネットワークでもリモートサイト登録し、レプリケーションすることが可能です。
今回の環境
AOS: 5.20.1.1 LTS
AHV: 20201105.2096
プライマリサイトのDR ネットワーク
・VLAN 2208
・Network: 172.22.8.0/24 Gateway: 172.22.8.1
・DR VIP: 172.22.8.90
・DR用CVM NIC: 182.22.8.91~94
バックアップ・DRサイトのDRネットワーク
・ VLAN 2209
・Network: 172.22.9.0/24 Gateway: 172.22.9.1
・DR VIP: 172.22.9.90
・DR用CVM NIC: 182.22.9.91~94
サイト間のリモートサイト登録は相互にPrismから実施しますが、今回はプライマリサイト側から、バックアップ・DRサイト側を登録する手順を画像で紹介します。
ちなみに、DRネットワークの作成方法については前回の記事をご参照ください。
リモートサイトの登録
Prismから [データ保護] >> [+リモートサイト] >> [Physical Cluster] をクリックします。
起動したダイアログで以下のように入力してリモートサイト登録します。
上図の右側の画面を下へスクロールするとサイト間の仮想ネットワークやストレージコンテナのマッピングが可能です。
ただ、現在はPrismからネットワークやストレージコンテナのマッピングを行うことができない既知のエラーが確認されています。
これは現在、代替策として [ncli] を使用することでマッピングすることが可能ですので、次回の記事で紹介します。
そのまま [Save] をクリックすると、リモートサイトの登録が完了し、Prismで登録したリモートサイトが確認できます。双方のサイト登録完了後 [Test Connection] を実行することで、疎通性を確認することができます。
ちなみに、異なるDRネットワークのサイト間での疎通性の話ですが、Nutanixではリモートサイト登録した時点で、CVMへリモートサイトのDRネットワーク宛のスタティックルートが自動追加され、ip tablesのルートが更新される仕組みのようです。
リモートサイト登録後にCVMで確認すると以下のようになります。DR用のインターフェースである [ntnx0] を指定して、対向のDRネットワーク宛のルートが追加されています。
[nutanix@cvm]$ ip route
default via xxx.xxx.xxx.xxx dev eth0
xxx.xxx.xxx.xxx/24 dev eth0 proto kernel scope link src xxx.xxx.xxx.xxx
172.22.8.0/24 dev ntnx0 proto kernel scope link src 172.22.8.91
172.22.9.0/24 via 172.22.8.1 dev ntnx0
192.168.5.0/25 dev eth1 proto kernel scope link src 192.168.5.2
192.168.5.0/24 dev eth1 proto kernel scope link src 192.168.5.254
[nutanix@cvm]$
今回は、DRネットワークを作成したクラスター間でリモートサイト登録をしてみました。ご参考になれば幸いです。
次回は [ncli] を使用して、サイト間の仮想ネットワークとストレージコンテナのマッピング方法についてご紹介したいと思います。