前回の記事では、DRネットワークを作成した2つのクラスター間でリモートサイト登録をした後、仮想ネットワークとストレージコンテナのマッピングを [ncli] で実施しました。
今回は、2つのサイト間で仮想マシンのスナップショットをDRネットワークを使用してレプリケーションしてみます。
今回の環境
AOS: 5.20.1.1 LTS
AHV: 20201105.2096
仮想マシン: Windows Server 2016
[プライマリサイト] と [バックアップ・DRサイト] のDRネットワークやリモートサイト登録、マッピング情報については前回の記事をご参照ください。
プロテクションドメインとスケジュールの作成
NutanixのAsync DRでは、プロテクションドメイン(保護ドメイン)と呼ばれる、保護したい仮想マシンやボリュームグループをまとめたものを作成し、スナップショットを取得します。
まず、Prismの [データ保護] >> [保護ドメイン] >> [Async DR] を選択します。(プライマリサイト側で実施します)
作成するプロテクションドメインに名前を付けて [Create] をクリックします。
以下の画像のように操作し、今回は [test-win2016] という仮想マシンをプロテクションドメインへ追加して [次へ] をクリックします。
[New Schedule] をクリックしてスナップショット取得のスケジュール設定画面を表示します。
今回は、毎時スナップショット取得で5世代をリモートサイトへ保管するスケジュールを作成しました。
作成したスケジュールが表示されます。
Prism >> [データ保護] >> [Async DR] 画面へ作成したプロテクションドメインが表示されます。対向サイトへもレプリケーションの受け側として同じ名前のプロテクションドメインが作成されます。
リモートサイトへのレプリケーションの確認
プロテクションドメイン作成とスケジュールの設定が完了すると、スナップショットが取得されます。
Async DRでは、ローカルへスナップショット取得したのち、リモートサイトへレプリケーションされます。作成されたスナップショットはPrismから確認できます。
以下は、一時間毎に作成されているスナップショットです。
リモートサイトへも同じものがレプリケーションされています。
ちなみにこのリモートサイトへのレプリケーションはDRネットワークを使用しているわけですが、netstatコマンドで確認してみると、実際にDRネットワークで対向サイトのDRネットワークインターフェースの2020番ポート宛に接続が確立されていることが確認できます。
[nutanix@cvm]$ netstat -n | grep 172.22.8
tcp 0 0 172.22.8.90:2020 172.22.9.93:55076 ESTABLISHED
tcp 0 0 172.22.8.91:47224 172.22.9.90:2020 ESTABLISHED
tcp 0 0 172.22.8.90:2020 172.22.9.93:55078 ESTABLISHED
tcp 0 0 172.22.8.91:46762 172.22.9.90:2020 ESTABLISHED
[nutanix@cvm]$
あらかじめ作成したDRネットワークについては、前回の記事などをご参照ください。
マッピングについて
前回の記事でネットワークとストレージコンテナをマッピングしましたが、実際に仮想マシンをリモートサイトへマイグレーションして、設定したどおりにマッピングされるか試してみます。
プライマリサイトのPrism [データ保護] 画面から、プロテクションドメインをリモートサイトへマイグレーションしてみます。
リモートサイトへ移行された仮想マシンの仮想ネットワークとストレージコンテナを確認してみると、マッピングした通りに設定されているのが確認できます。
これで、DRネットワークに紹介は一区切りです。今日はこの辺で。