NutaNice Xperience

主にNutanix製品を検証したり触ったりした結果をつづっています。※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。実際に製品を使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施してください。

ESXiをPrismからアップグレードしてみる① -認定バージョンへのアップグレード

NutanixではESXiのアップグレード方法として、Prismのソフトウェアアップグレードから実施する方法と、手動でアップグレードする方法があります。今回は、ESXiをPrismの「ソフトウェアアップグレード」からアップグレードする様子をお見せしたいと思います。

ちなみにNutanixでは、ハイパーバイザーがAHVの場合はPrismのLCM(Life Cycle Manager)画面からアップグレードできますが、ESXiの場合は古くからある「ソフトウェアアップグレード」画面を利用します。

今回やること

Nutanix環境のESXiを6.7 U3 → 7.0 U2a へアップグレードします。ちなみにAOSやvCenterのアップグレードは実施済みです。

f:id:tomomartin:20220109225426p:plain

事前確認

まずは、ターゲットのESXiが既存のNutanix環境と互換性があるか確認します。

今回使用している環境は以下のとおりです。
・プラットフォーム: NX-1465-G5
・AOS: 5.20.2.1
・vCenter: 7.0 u3a 18778458

ESXiとNutanixの互換性を確認するには、Nutanix Support Portal >> Compatibility and Interoperability MatrixのPlatformにて確認できます。(My Nutanixアカウントが必要)

[Compatibility and Interoperability Matrix >> Platform]
https://portal.nutanix.com/page/documents/compatibility-interoperability-matrix/hardware

本記事執筆時点では最も新しいものでESXi 7.0 U2aがNutanixの認定バージョンとしてサポートされていました。今回は、このバージョンにアップグレードしてみます。

今回は、単純にESXiのアップグレードを行うだけですが、その他3rdパーティ製品との互換性など環境によって考慮する必要があるかと思います。

また、vSphere DRSは有効とし、vSphere HAのアドミッションコントロールは無効にしておきます。

[VMware ESXi Hypervisor Upgrade Recommendations and Limitations]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=vSphere-Admin6-AOS-v5_20:upg-cluster-upgrade-recommend-esxi-r.html

アップグレードに必要なもの

NutanixのPrismからESXiをアップグレードする場合、アップグレード先のESXiをNutanixが認定しているかどうかで使用するものが異なります。

  • Nutanixが上記「Platform」にて認定しているバージョンのESXiの場合は、Nutanix社が提供するメタデータJSONファイルVMware社が提供するオフラインバンドル(zip)が必要となります。
  • Nutanixが上記「Platform」にて認定していないが、VMware社によって提供される更新(パッチ)などは、VMware社が提供するオフラインバンドル(zip)とそのMD5チェックサムが必要になります。

今回は、Nutanixにて認定されているESXiバージョンへアップグレードしますので、メタデータJSONファイルとオフラインバンドルをそれぞれ以下のようにダウンロードします。

メタデータJSONのダウンロード
Nutanix Support PortalのDownloads >> Hypervisors Supportより、任意のメタデータJSONファイルをダウンロードします。
https://portal.nutanix.com/page/downloads?product=hypervisordetails

オフラインバンドルのダウンロード
VMware Customer ConnectのProducts&Accounts >> All Productsより、指定のバージョンのESXiオフラインバンドル(zip)をダウンロードします。
https://customerconnect.vmware.com/

f:id:tomomartin:20220109230548p:plain

PrismにてESXiのアップグレード

まずは、ダウンロードしたJSONファイルとオフラインバンドルをPrismのソフトウェアアップグレード画面のHypervisorタブにてアップロードします。それぞれファイルを選択して「今すぐアップロード」をクリックします。

f:id:tomomartin:20220109231057p:plain

アップロードが完了したら、使用可能な互換バージョンとして表示されてきます。下図の例では、アップグレード可能なバージョンとして「7.0.2-17867351(7.0 U2a)」が表示されました。そのまま「Upgrade」をクリックします。

f:id:tomomartin:20220109231358p:plain

「アップグレードしますか?」のダイアログが表示されますので、vCenterのIPとアカウント情報を入力して「はい」をクリックします。

f:id:tomomartin:20220109231554p:plain

ESXiのアップグレードが開始されます。

f:id:tomomartin:20220109231654p:plain

すべてのESXiのアップグレードが完了すると、下図のようになります。

f:id:tomomartin:20220109231752p:plain

アップグレード完了後、PrismのLCMでインベントリを実施すると、ESXiがアップグレード後のバージョンとして表示されたことが確認できました。

f:id:tomomartin:20220109231936p:plain

vSphere Clientでもハイパーバイザーがアップグレード後のバージョンになっていることが確認できました。

f:id:tomomartin:20220109232231p:plain

今回は、このへんで。

次回以降ももう少しESXiのアップグレード関連の記事を書きたいと思います。