Nutanixでは、ESXiをハイパーバイザーとしてクラスターを作成すると、デフォルトで「nfs-vaai-plugin」と呼ばれるVIBが各ESXiへインストールされます。
この「nfs-vaai-plugin」によってESXiからNFSデータストア（ストレージコンテナ）へのI/Oタスクの一部を、Nutanix側にオフロードすることが可能となります。Nutanixでは、主に以下のNAS向けプリミティブ（Primitive）のセットをサポートします。
- Full File Clone（フルファイルクローン）
- Fast File Clone（高速ファイルクローン）
- Reserve Space（スペース予約）
参考: NAS デバイスでのハードウェア アクセラレーション
このVAAIプラグインによって、シックプロビジョニング向けのスペース予約やNutanixの高速クローン機能などがESXi上のVMに対して有効になります。
今回と次回の記事では、このVAAIが有効な環境と、有効でない環境において、ESXi上のVMをクローンして様子を比較してみました。
目次
1. 今回の環境
Platform: NX-1465-G5
AOS: 6.1 STS
ESXi: 7.0.1-16850804
データストア: nfs-datastore（ストレージコンテナ）
クローン元VM: test-clone（Windows10）
クローン先VM: test-clone01、02（Windows10）
2. VAAIが有効でない環境でのVMクローン
ESXiへVAAIプラグインのVIBがインストールされておらず、ハードウェアアクセラレーションが使用できない場合はNFSデータストアにて以下のように表示されます。（今回は意図的に、VAAIプラグインのVIBを削除しています）
この状態で「nfs-datastore」へクローン元VMを作成します。ここでポイントですが「nfs-vaai-plugin」がインストールされていない環境では、シンプロビジョニングのディスクしか作成することができません。
これはVAAIによる「Reserve Space（スペース予約）」が使用できないためです。
続いて今回は、100GBのvDISKをシンプロビジョニングで作成し、Windows10をインストールしました。また、AOSのバイナリをダウンロードするなど、ディスクへの書き込みも少し実施しました。
NutanixのPrismからも、対象のデータストアと仮想マシンのストレージ容量が確認できます。
この、VMのクローンをvSphere Clientから2つ作成してみたところ、1VMあたりvDISKの複製に5分程度（26.5GBの場合）かかっていました。
また、Prismから確認すると、複製したvDISKの分だけデータストア（ストレージコンテナ）の使用容量も増加していることが分かります。
これが、VAAIプラグインなしの場合のクローンの様子です。クローンに要する時間とストレージコンテナ容量の増加が確認できたかと思います。
