この記事は Nutanixアドベントカレンダー2022 の「12/11」の記事です。
今回は、Nutanix Moveを使用して、AWS上のWindows Server 2016のインスタンスをNutanix AHV上へ移行してみます。
AWSにそこまで精通しているわけではないので、最低限の内容をお伝えします。
※ この記事では、Nutanixのドキュメントをもとに検証した内容や見解を公開していますが、あくまで個人ブログの情報となりますので、自己責任でご活用ください。実際にNutanix Moveを使用して移行される場合は、メーカードキュメントの手順に従って作業を実施されてください。
目次
- 目次
- 今回の環境
- 1. AWSでの事前準備
- 2. 移行元AWS・移行先AHVの登録
- 3. 移行プランの作成
- 4. Seeding(スナップショット&レプリケーション)の確認
- 5. Cutoverの実行
今回の環境
[移行元]
AWS EC2
[移行先]
AOS 6.5.1 LTS
AHV-20201105.30417
今回のイメージは以下の通りです。
Nutanix Moveのデプロイ方法については以下記事をご参照ください。
◇Nutanix MoveをAHVへデプロイしてみる(Prism GUI編)
1. AWSでの事前準備
今回はAWSで試した最低限の事前準備について紹介します。
AWS EC2上には、あらかじめ移行対象となるWindows Server 2016のインスタンスを作成済みです。
はじめにAWSのIAM(Identity and Access Management)にて、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーを作成して取得しておきます。これは、Moveから移行元AWSを登録する際に必要となります。
続いて、AWS Systems Managerから移行対象のインスタンスを管理できるようにしておきます。今回は、AWSのIAMにて「AmazonEC2RoleforSSM」という許可ポリシーを指定してIAMインスタンスプロファイルを「tomo-SSMInstanceProfile」というロール名で作成しました。
ちなみにこの「AmazonEC2RoleforSSM」はNutanix Moveのドキュメントでも案内されているもので、Nutanixドキュメントに記載のjsonファイルとこの画面で比較することができます。
このIAMインスタンスプロファイル(ロール)を今回の対象のWindows Server 2016インスタンスへ割り当てる事で、AWS Systems Managerがインスタンスを管理できるようになります。ちなみに、SSM AgentはAWSのインスタンスには多くの場合インストールされています。
作成したIAMロールを特定のインスタンスへ割り当てるには、EC2インスタンス画面にて「アクション」→「セキュリティ」→「IAMロールを変更」をクリックします。
作成済みのIAMロールを選択して「IAMロールの更新」をクリックします。
EC2インスタンス画面にて、割り当てたIAMロールが確認できます。
<参考>
AWS Systems Manager のセットアップ
これで最低限の準備が整いました。
2. 移行元AWS・移行先AHVの登録
作成済みのMoveへログインし「+ Add Environment」をクリックします。
「Select Environment Type」で「Amazon Web Service」を選択します。
AWSにて取得したアクセスキーIDとシークレットアクセスキーを入力して「Add」をクリックします。
移行元AWS環境が追加されました。
移行先AHVの登録については以下をご参照ください。
以下のように移行先AHVも登録しました。
3. 移行プランの作成
Moveのwebコンソールにて「Create a Migration Plan」をクリックします。
はじめに移行元となるAWSとリージョン、移行先となるAHVとストレージコンテナを選択します。
今回の移行対象とするWindowsのインスタンス(tomo-test-win)を選択して、右側に表示されたら「Next」をクリックします。
移行先AHVの任意の仮想ネットワークを選択して「Next」をクリックします。
続いてVM準備モードで「Automatic」を選択します。AWSでの事前準備で実施した通り、IAMロールを対象のインスタンスへ事前に割り当てておかないと、プランを実行した際に、AWS SSM Managerがインスタンスに対して必要なアクセス権を得られずエラーとなります。
仮想マシンの設定はデフォルトのまま「Next」をクリックします。
サマリ画面を確認してから、プランを保存するとともに実行します。
4. Seeding(スナップショット&レプリケーション)の確認
作成したプランの「In Progress」をクリックします。
仮想マシンの自動準備が完了したらSeedingプロセスが開始され、スナップショットがAWSからAHVへレプリケーションされます。初回はフルコピーなのでvDISKのサイズ分時間がかかります。
AWS側でもSeeding用のスナップショットが取得されている様子が確認できます。
5. Cutoverの実行
初回レプリケーションが完了すると、Cutover(VMの移行)を実行することができるようになります。対象のWindowsインスタンスを選択して「Cutover」をクリックします。
最後のスナップショットが作成され、同期されている様子が確認できます。
Cutover完了後、移行先AHVのPrismにて、移行された仮想マシンが自動起動されているのが確認できました。
コンソールを起動して無事Windowsへログインできました。
AHV上の仮想マシンで必要となる「Nutanix VirtIO」も自動でインストールされているのが確認できます。ちなみにAWS関連のツールなどは自動削除されず、仮想マシンに残るようです。
EC2側の移行元Windowsインスタンスは停止されていることが確認できます。
今回は移行先AHVでIPAMによる(DHCP)を使用しましたが固定IPも引き継げるのか、などまた時間があれば確認してみたいと思います。
<参考>
AWS to AHV and AWS to Nutanix Cloud Clusters (NC2) on AWS