※この記事は「AOS 7.3 AHV10.3 Prism Central pc.7.3」時点の情報をもとに作成しています。その後の機能アップデートについてはメーカーの公開情報をご確認ください。
今回は、Nutanix「Disaster Recovery」のAHV Metro Availabilityにおける自動フェイルオーバーなどで使えるWitness VMをAHV上にデプロイしてみます。
目次
1.今回の環境
AOS: 7.3
AHV: 10.3
Prism Central: pc.7.3
Wintness VM 7.3.0.6
▽今回の環境のイメージは以下の通りです。
Nutanix Disaster Recoveryでは、「AHV Metro Availability」という同期レプリケーションをもとにしたDR機能が提供されており、Witnessという監視用のサービスを使用することで、プライマリクラスターの障害時に、リカバリークラスターに自動でフェイルオーバーをすることが可能です。
AHV Metro Availability
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Disaster-Recovery-DRaaS-Guide-vpc_7_3:ecd-ecdr-metroavailability-pc-c.html
Witnessの構成は大きく分けて2つのパターンがあります。
- Prism Central上で動作するローカルWitnessサービス
- AHVやESXi上にデプロイできる外部Witness VM
違いについては、上記のリンクをご参照ください。
今回は、外部Witness VMを別のAHV上にデプロイしてみます。なお、AHV用のWitness VMはシングルAHVクラスター上でしか機能しない（？）様子でして、3ノードAHVクラスター上にデプロイした場合は、サービスが起動できず使えませんでした。
ドキュメントの要件部分にはシングルクラスターのみをサポートするとは書かれていないですが、手順部分に以下の一文がありこれがシングルクラスターのみをサポートする根拠になるかなと思います。
Witness Service is a VM that runs on single-node clusters.
Deploying Witness Service on AHV
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Disaster-Recovery-DRaaS-Guide-vpc_7_3:ecd-ecdr-configuration-iwitness-metro-pc-t.html
2. Witness VMのイメージファイルのアップロード
Witness VMのディスクイメージはサポートポータルからダウンロード可能です。ファイルサイズがわりと大きいので、ローカルにダウンロードしたくない場合は、URLを取得してアップロードすることも可能です。
今回は、サポートポータルからダウンロード用のURLを取得してPrism Central経由でイメージサービスにアップロードする方法を紹介します。
▽サポートポータルにアクセスして、Witnessのダウンロードページから対象のファイルを確認します（My Nutanixアカウントが必要です）。AHV用のWitnessのディスクイメージは以下の通り3つあります。
https://portal.nutanix.com/page/downloads?product=witnessvm
▽ここで、URLを取得するためには以下の通り「Copy Download Link」をクリックします。
これで、10時間だけ有効なダウンロードリンクが取得できます。
▽デプロイ先のシングルクラスターを管理するPrism Centralにログインし、イメージの追加画面を開きます。
▽イメージの追加画面で「URL」を選択し、取得したURLをペーストして「+ Add URL」をクリックします。
▽アップロードされるイメージ名が表示されたら「次へ」をクリックしてアップロードを開始します。3つのファイルをまとめてアップロードすることも可能です。
▽アップロードが完了すると、以下の通り表示されます。これがAHV用Witnessのイメージファイルです。
3. Witness VMの作成
▽Prism Centralにて、仮想マシンを作成します。
▽仮想マシン名は任意で、デプロイ先のシングルクラスターを選択し、リソースは画面の通り設定します。
▽Diskの画面で、イメージサービスにアップロードしたWitnessの3つのイメージファイルを接続します。順番があるのでご注意ください。
▽続いて、vNICに仮想ネットワークを接続し、Legacy BIOSを選択します。なお、仮想ネットワークはDHCP（IPAM）でも静的IPでも機能しますが、一般的には静的IPを振ることになると思います。
▽あとは画面を進めて「Create VM」をクリックして仮想マシンを作成します。
▽仮想マシンの電源を入れてから、以下のような画面になるまで15分程度待機します。2回ほど再起動を繰り返します。
この画面になったら、あとは簡単な初期設定をするだけで利用可能になります。初期設定についてはリンク先をご参照ください。
Deploying Witness Service on AHV
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Disaster-Recovery-DRaaS-Guide-vpc_7_3:ecd-ecdr-configuration-iwitness-metro-pc-t.html
4.Witness VMのPrism Centralへの登録
▽Disaster Recoveryで使用するPrism CentralへWitness VMを登録します。
▽作成したWitness VMのIPやadminユーザーの資格情報を入力して「Connect」をクリックします。
▽登録されたWitness VMは以下の通りです。これで、外部Witnessが使用可能になりました。
▽Prism Centralに登録されたWitnessは、Disaster Recoveryで自動フェイルーバーのリカバリプランを作成する際に、使用するWitness VMとして選択することができます。
今回はここまで。
