前回の記事では、AOSアップグレードのための互換性情報の確認方法などをご紹介しました。
今回は、AOSアップグレードを実施するにあたっての、推奨順序や事前作業などをご紹介します。
※ この記事では、AOSアップグレードについての情報を紹介していますが、実際にAOSをアップグレードされる場合は、メーカーのドキュメントを十分に確認の上、Nutanixサポートとも連携がとれる状態で実施されることをおすすめします。尚、リンク先のドキュメントはAOS 5.15のものを主に紹介しています。
AOSアップグレード連載
第1回: AOSアップグレード時の互換性情報など
第2回: AOSアップグレードの順序や事前作業 ←この記事
第3回: AOSアップグレード手順
第4回: AOSアップグレード後の作業
今回のアップグレード前の環境
[Nutanix Cluster]
AOS: 5.15.2 LTS
Hypervisor: AHV 20200830.434
LCM: 2.4.2.3
Cluster Maintenance Utilites: 1.0.0
Foundation: 4.5.4.1
NCC: 3.10.0.5
[Prism Central]
Prism Central: pc.2020.9.0.1
LCM: 2.4.2.3
NCC: 3.10.0.6
AOSアップグレードの順序や事前作業
AOSをアップグレードするにあたって、Prism Centralをアップグレードしたり、クラスターの健全性を確認したりといった作業の順序がドキュメントで紹介されています。
スライドにまとめましたのでご参照ください。この内容で順番に概要レベルで紹介したいと思います。
Prism Centralのアップグレード
NutanixクラスターをPrism Centralに登録している場合は、Prism Centralを先にアップグレードする必要があります。
Ptism CentralのWebコンソールでLCMインベントリを実施し、NCCのアップグレードやNCCチェックを実施した後に、Prism Central WebコンソールのLCM画面からアップグレードします。（「Prism Centralをアップグレードする」の画面からでもアップグレードは可能）
[Prism Central Upgrade and Installation 5.15]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Acropolis-Upgrade-Guide-v5_15:upg-vm-install-wc-r.html
Prism WebコンソールでLCMインベントリの実行
Prism Cental のアップグレードが完了したら、NutanixクラスターのPrism WebコンソールでLCMインベントリを実行します。
LCMインベントリを実行すると、LCMフレームワークは最新バージョンにアップグレードされ、クラスター内で利用可能なソフトウェアの最新バージョンなどの情報を取得します。
[Performing Inventory With the Life Cycle Manager]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Life-Cycle-Manager-Guide-v2_4:2-lcm-inventory-t.html
Prism WebコンソールのLCMからNCCをアップグレードする
インベントリの実行が完了したら、LCMからNCCを最新バージョンへアップグレードします。（ソフトウェアアップグレード画面からでもアップグレード可能です）
[Install and Upgrade Nutanix Cluster Check (NCC) 5.15]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Acropolis-Upgrade-Guide-v5_15:ncc-cluster-ncc-upgrade-wc-c.html
Prism WebコンソールでNCCチェックを実行する
NCCのアップグレードが完了したら、NCCチェックを実行します。NCCチェックはLCM画面から実行可能です。（Prism Webコンソールの[健全性]画面からでも可能）チェック結果でNGが出た場合は、エラー画面やドキュメントなどを参照して対処します。
Prism WebコンソールでFoundationおよびCluster Maintenance Utilitiesをアップグレードする
NCCチェックが完了し、クラスターの健全性が確認できたら、クラスターのFoundationやCluster Maintenance Utilities（CMU）をアップグレードします。（すでに最新の場合はアップグレード不要です）
ちなみにCluster Maintenance Utilities（CMU）とは、CVMやPrismのリソースをより効率的に使用するのに役立つツールやスクリプトなどを提供するメンテナンス用のユーティリティのことです。
[Upgrading Foundation]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Acropolis-Upgrade-Guide-v5_15:upg-cluster-foundation-upgrade-wc-t.html
[Release Notes | Cluster Maintenance Utilities]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-Cluster-Maintenance-Utilities:Release-Notes-Cluster-Maintenance-Utilities
ここまでできたら、AOSアップグレードの準備は完了です。
次回の記事では、AOSアップグレードについて紹介します。
参考資料
[Acropolis Upgrade Guide -Prism 5.15-]
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Acropolis-Upgrade-Guide-v5_15:Acropolis-Upgrade-Guide-v5_15
