NutaNice Xperience

主にNutanix製品を検証したり触ったりした結果をつづっています。※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。実際に製品を使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施してください。

【第1回】Nutanix AOSのアップグレード方法(AHV版)

NutanixではAOSによってHCIやクラスター管理機能が提供されています。AOSは約1年に1回のペースで新しい長期サポートバージョン(LTS)がリリースされているので、既存の環境でも1年に1回は新しいバージョンへアップグレードすることが理想です。

これ以降数回の記事を通じて、AHV環境のAOSのアップグレード方法や、押さえておきたいことなどをまとめて連載してみます。 

連載予定内容
第1回: AOSアップグレード時の互換性情報など
第2回: AOSアップグレードの順序や事前準備
第3回: AOSアップグレード手順
第4回: AOSアップグレード後の作業

今回は、第1回なのでAOSアップグレード時の互換性情報について紹介します。

AOSアップグレード時の互換性情報など

AOSアップグレード時には、互換性などの情報を確認されるかと思いますので、以下に関連ドキュメントやリンクをまとめています。

アップグレードパス
こちらは、AOSやPrism Central、Nutanix Filesなどをアップグレードする時に、現行バージョンと新しいバージョン間で、アップグレードがサポートされているか確認するために使います。例えば [AOS 5.15 → 5.20] はサポートされますが、[AOS 5.10 → 5.20] はサポートされないことが分かります。

[AOS 5.10 → 5.20] を実施したい場合は、[AOS 5.10 → 5.15 → 5.20]というように、中間のバージョンを経由したアップグレードパスを考えることになります。
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[Upgrade Paths]
https://portal.nutanix.com/page/documents/upgrade-paths

ソフトウェア製品の互換性
こちらは、AOSとPrism Central間の互換性や、AOSとNutanix Files間の互換性確認に使います。ポイントをスライドにまとめていますのでご確認ください。ちなみにソフトウェア間の詳細なサポートポリシーについては、公開情報がありますリンク先をご参照ください。
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[Software Product Interoperability]
https://portal.nutanix.com/page/documents/software-interoperability
[Support Policies and FAQs]
https://www.nutanix.com/support-services/product-support/support-policies-and-faqs

ハードウェアの互換性
こちらには、承認されているハードウェアプラットフォームが表示され、ターゲットのAOSとハイパーバイザーの組み合わせでサポートされているかが確認できます。
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NutanixはハードウェアのEOL情報も公開しており、Nutanixでサポートされるハードウェアとして承認されてから、ざっくり7年くらいでEOLを迎えるようです。ただ、ハードウェア製造元のサポート終了などにも左右されるかと思いますので、併せてハードウェア製造元にもサポート期間などを確認されることをおすすめします。

[Compatibility Matrix -> Hardware]
https://portal.nutanix.com/page/documents/compatibility-matrix/hardware
[EOL情報]
https://portal.nutanix.com/page/documents/eol/list

AHV上でサポートされるゲストOSの確認
AOSをアップグレードした場合は、AHVもアップグレードすると考えておくとよいかと思います。そのため、ターゲットのAOSバージョン(AHV)でどういったゲストOSがサポートされるかを確認します。基本的に一般的なエンタープライズで使用されているOSはサポートされていると考えてよいかと思います。(Microsoft製品や主要なLinuxディストリビューションなど)
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[Compatibility Matrix -> AHV Guest OS]
https://portal.nutanix.com/page/documents/compatibility-matrix/guestos

3rdパーティソフトとの互換性
例えばバックアップソフトなどの3rdパーティ製品を導入している場合は、その製品が新しいAOSやAHVへ対応しているかを確認する必要があるかと思います。Nutanixでは、様々な3rdパーティソリューションの互換性情報を公開していますが、マトリクスではAOSの最低バージョンだけ表示されていたりもしますので、3rdパーティ製品のメーカーへも併せて確認することをおすすめします。
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[Compatibility Matrix -> Software]
https://portal.nutanix.com/page/documents/compatibility-matrix/software

フィールドアドバイザリーとセキュリティアドバイザリー
現行のソフトウェアで見つかった不具合やセキュリティの脆弱性情報などが定期的にアップデートされたりしますが、緊急性の高いものが見つかった場合は、AOSのマイナーアップデートを早急に実施する必要があるかもしれません。こちらも、AOSのアップグレードに関連して、定期的に確認されることをおすすめします。
[Field Advisories]
https://portal.nutanix.com/page/documents/field-advisories/list
[Security Advisories]
https://portal.nutanix.com/page/documents/security-advisories/list

互換性などの情報に関して確認おきたいところはこんな感じになります。

次回の記事では、AOSアップグレードに関連して事前準備や順序などのポイントを紹介したいと思います。