先日Nutanix Files関連のとあるセミナーで「DNSラウンドロビンで初期アクセスは分散されるけど、DNSサーバーが返答したIPアドレスのFSVMが停止してたらアクセスできないのでは?DNSラウンドロビンは、宛先のサーバー障害は検知しないはず。」といったご質問をいただきました。
おっしゃる通りで、DNSラウンドロビンはあくまで、アクセスの分散ための仕組みであり、接続先のサーバー障害などを検知して冗長性を確保してくれるものではないと思います。
ただ、Nutanix Filesでは、前回や前々回の記事で説明してきた通り、FSVMが停止すれば他のFSVMが即座にIPアドレスや共有フォルダを引き継ぐ仕組みになっています。
なので、何らかの障害などで停止したFSVMのIPアドレスをDNSサーバーが返答したとしても、別のFSVMがIPを引き継いで応答するので、ファイルサーバーへアクセスできなくなるということはありません。
前回までは、共有フォルダを公開しているFSVMを停止させて動作を確認していたので、今回は、共有フォルダを公開していないFSVMを停止させても、IPアドレスだけ引き継いでくれるのかを確認してみました。
今回の環境
使用している環境については、こちらの記事をご参照ください。
共有フォルダを公開していないFSVMの停止
今回は簡単ですが、[FSVM3]を停止します。停止させた後に、残りのFSVMへログインして確認したところ、今回は[FSVM1]がIPアドレスを引き継いでいることが確認できました。
[nutanix@FSVM1]$ ifconfig
eth0: flags=4163 mtu 1500
inet 172.22.1.95 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.22.1.255
inet6 fe80::526b:8dff:fe87:7417 prefixlen 64 scopeid 0x20
ether 50:6b:8d:87:74:17 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 3123329 bytes 579998394 (553.1 MiB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 3417378 bytes 594246892 (566.7 MiB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
eth1: flags=4163 mtu 1500
inet 172.22.8.4 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.22.8.255
inet6 fe80::526b:8dff:fef7:eb33 prefixlen 64 scopeid 0x20
ether 50:6b:8d:f7:eb:33 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 74611 bytes 10461457 (9.9 MiB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 77013 bytes 10169991 (9.6 MiB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
eth1:2: flags=4163 mtu 1500
inet 172.22.8.6 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.22.8.255
ether 50:6b:8d:f7:eb:33 txqueuelen 1000 (Ethernet)
lo: flags=73 mtu 65536
inet 127.0.0.1 netmask 255.0.0.0
inet6 ::1 prefixlen 128 scopeid 0x10
loop txqueuelen 1000 (Local Loopback)
RX packets 2536951 bytes 424737235 (405.0 MiB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 2536951 bytes 424737235 (405.0 MiB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
[nutanix@FSVM1]$
今回の検証は簡単ですが、これで終わりです。FSVMが停止した場合は、共有フォルダの有無に関係なく他のFSVMがIPを引き継いでくれるので、DNSラウンドロビンでDNSサーバーからどのIPが返答されてもアクセスできなくなることはない仕組みのようですね。
ちなみに今回の環境で[FSVM3]を落としたままの状態で、クライアントのエクスプローラーからそれぞれのFSVM IP宛にアクセスしてみました。
結果、どのIPでも共有フォルダへアクセスできました。
DNSラウンドロビンはあくまでアクセスの分散のために採用されており、冗長構成については、Nutanix Files側で仕込まれているといった理解でよさそうです。今回はこのへんで。