前回の記事では、Nutanix AHVにおけるHYCUの「Backup From Replica」について紹介しました。今回は「アーカイブ」について紹介します。
HYCUの「アーカイブ」の紹介
HYCUでは以下のように「アーカイブ」というバックアップオプションが提供されています。
このオプションは、メーカードキュメントでは以下のように紹介されています。
<アーカイブ>
長期保管目的でデータを保存できます。<引用元>
HYCUユーザーガイド > カスタムポリシーの作成
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=59
長期保管目的ということが分かりましたが、実際どのように使うのか触ってみました。アーカイブのターゲットは色々と選べるのですが、パブリッククラウドのオブジェクトストレージが主なターゲットになるかと思います。構成例は以下の通りです。
▽1つ目の例としては、HYCUで外部にバックアップを取りつつ、クラウドのオブジェクトストレージにも長期保管目的でアーカイブを保管するというものです。監査対応など長期保管が必要なデータなどがある場合に、バックアップとアーカイブをうまく使い分けて利用するといったイメージです。
▽2つ目の例として、外部バックアップを取得せずに、ローカルスナップショットから直接クラウドストレージへアーカイブをすることも可能です。これは外部に物理的なバックアップ環境を持ちたくないが、長期保管が必要なデータがあるといったケースで使えそうですね。
ちなみにアーカイブから仮想マシンをリストアすることも可能となります。
バックアップとアーカイブの違い
アーカイブが長期保管目的の機能ということは分かりましたが、結局通常のバックアップと何が違うの?と感じる方もいらっしゃると思います。
これは筆者の見解ですが、アーカイブでは、通常のバックアップポリシーのスケジュールとは別で、独自のアーカイブスケジュールをターゲットに対して設定できることがポイントになるかと思います。
イメージとしては以下のような感じです。
▽画面で見ると、通常のバックアップスケジュールは以下のように、ポリシー画面で設定します。
▽それに対して、アーカイブのスケジュールは、別途設定画面があり、以下のようにアーカイブ先となるターゲットを指定して個別に設定することになります。
▽ターゲットを含むアーカイブスケジュールを作成したら、設定したアーカイブ名をポリシー画面で指定するといった具合です。
ちなみに、これまでの記事で説明してきた「Fast Restore」や「コピー」、「Backup From Replica」などでは、バックアップポリシーとは別にスケージュール(バックアップ頻度)を設定することはできません。
そういった意味でも、アーカイブは通常のバックアップとは別にアーカイブ独自のスケジュールを設定して長期保管を取得する、といった使い分けができるようにHYCUでは設計されているものだとお考えいただくとよさそうです。
以上、今回は「アーカイブ」の紹介でした。