この記事はHYCUでNutanix AHVのバックアップを取得する基本手順の第4弾です。
- Part.1 HYCU Backup Controller の導入
- Part.2 バックアップソースの追加
- Part.3 保管先ターゲットの追加
- Part.4 バックアップポリシーの定義
- Part.5 仮想マシンのバックアップ・リストア
前回の記事では、バックアップの保管先となるターゲットをHYCUのwebコンソールから追加しました。
今回はバックアップポリシーについて紹介します。
目次
今回の環境
Platform: NX-1465-G5
AOS: 6.5.1.5 LTS
AHV: 20201105.30417
バックアップ製品: HYCU Backup Controller(4.6.0)
構成と作業イメージは以下の通りです。
1. タイムウインドウ(Time Window)について
HYCUではバックアップジョブを開始できる時間帯を制御する機能のことを「Time Window」と呼びます。これは例えば、営業時間帯にはバックアップジョブを実行したくない場合などに使えるものです。
今回は試しにTime Windowを1つ作成してみます。HYCUのコンソールから「Policies」→「Time Window」をクリックします。
バックアップジョブに対して時間帯の制御を設定しますので「Backup Window」を選択して「Next」をクリックします。
作成するTime Windowの名前を入力して、今回は「Full/Incremental」を選択します。
下へスクロールし、今回は例として「すべての曜日で22:00~3:00の間のみバックアップジョブが開始できる」設定を入れてみました。
作成が完了すると「Time Window」に表示されます。
2. バックアップポリシーの定義について
一般的なバックアップ製品では、保護したい仮想マシンなどを含めてバックアッププランやジョブを作成されるかと思います。
HYCUでは、はじめにバックアップポリシーを作成しておき、あとは好きな仮想マシンにポリシーを割り当ててバックアップを取得するといった使い方になります。
HYCUでは「Gold、Silver、Bronze」といったポリシーがデフォルトで準備されており、これをそのまま使用してもいいのですが、カスタムで任意のポリシーを作成することも可能です。
またHYCUではRPOに関して「Backup Every」、RTOに関して「Recovery Within」といった言葉が使われます。これらは、ポリシーの作成時に指定することが可能です。
RTOをポリシーとして明示的に設定するのは珍しいですが、HYCUではリストアにかかる時間を内部的に計算しており、設定した「Recovery Within」の時間内にリストアできる場合はコンプライアンスに遵守しているという表示となるようです。
はじめはビジネスの観点などから適切なRTOを検討されると思いますが、そのRTOをHYCUのポリシーに入力してバックアップを取得し、実際に達成できるかをHYCU側に計算させるといったような検証もできそうですね。
▽今回はバックアップポリシーを1つ作成してみます。HYCUのコンソールで「Policies」→「+New」をクリックし、新しいポリシー名を入力して「BACKUP」を選択します。「Backup」の項目は以下のように入力してみました。
- Backup Every: 1 Day(日次バックアップ)
- Recovery Within: 6 Hours(6時間以内のリストア)
- Retention: 7 Days(1週間分保管)
△ちなみに「BACKUP TARGET TYPE」で「Snapshot」を選択した場合は、ローカルにスナップショットとしてバックアップを取得するようです。AHVのVM単体スナップショットをスケジュール化して取得できるようにした感じです。今回は「Snapshot」ではなく「Target」を選択しておきました。
▽続いて「START NEW BACKUP CHAIN」にて「データ変更率」や「チェーンの長さ」によって、新しいバックアップチェーンを開始させるといった設定を入れます。今回は「バックアップが7個たまったら新しいチェーンを開始する」という設定で進めます。
また、追加済みのターゲットを選択し、作成済みのTime Windowを選択して「Save」をクリックします。
作成したカスタムポリシーが表示されます。設定したスケジュールや保管世代も確認できました。
今回はこの辺で
<参考>
リンク先「カスタムポリシーの作成」を参照
https://download.hycu.com/ec/v4.6.0/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf