NutaNice Xperience

主にNutanix製品を検証したり触ったりした結果をつづっています。※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。実際に製品を使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施してください。

Nutanix「Disaster Recovery」で同一ネットワーク間DRでのIP・MACアドレスの挙動を確認してみる【AOS 7.3 AHV 10.3/pc.7.3】

 ※この記事は「AOS 7.3 AHV10.3 Prism Central pc.7.3」時点の情報をもとに作成しています。その後の機能アップデートについてはメーカーの公開情報をご確認ください。

今回は、Nutanix「Disaster Recovery」で同一ネットワーク間でフェイルオーバーした仮想マシンのIP・MACアドレスの挙動を確認してみます。

目次

1.今回の環境

 AOS: 7.3
AHV: 10.3
Prism Central: pc.7.3

▽今回の環境のイメージは以下の通りです。

Nutanix Disaster Recoveryでは、IPアドレスの引継ぎやカスタムIPの設定が可能ですが、今回は同一ネットワーク内でのレプリケーション/DRにてIPアドレスの挙動を確認してみます。

カスタムIPの設定にはNutanix Guest Tools(NGT)が必要ですが、同一ネットワーク内でそのままIPアドレスを引き継ぎたい場合、NGTなしでも対応できます。

設定画面に以下のように書かれており、デフォルトではフェイルオーバー元のIP offsetを引き継いでフェイルオーバー先に割り当てるので、同一ネットワーク内であれば、自然と同じIPが設定される仕組みとなります。

By default, matching IP offset values will be used by default to assign static IPs to VMs after failover. Configure custom static IPs to override automatic assignment. NGT must be installed on all VMs to assign static IPs.

For a subnet mapping of 10.11.12.1/24 to 18.19.20.1/24, VM with IP 10.11.12.5 will get 18.19.20.5 post failover through automatic offset matching.

なお、ローカルAZとリモートAZのクラスターにはそれぞれ同じネットワークを作成済みです。サイト間でL2延伸をしている、または同じL3スイッチ管理下でVLANを使用しているイメージです。

AZ間のペアリングや保護ポリシーの作成については以下のリンク先をご参照下さい。

tomomartin.hateblo.jp

2. ネットワークのマッピング

▽今回は、以下の通りローカルAZのcluster01に、DHCP用と固定IP用に2つ仮想マシンを準備しました。

▽それぞれ、DHCPで払い出したIPと固定IPを割り当てています。MACアドレスも覚えておきます。

▽ここまで準備できたら、リカバリプランの作成でネットワークのマッピングをします。ローカルAZとリモートAZで同じ仮想ネットワークを作成していますので、そのまま同じ仮想ネットワークを選択してマッピングします。

なお、「Enable Static VM IP Mapping」のチェックを外していますが、同じネットワークでフェイルオーバーを実施する場合は、このチェックは不要で固定IPが引き継げます。NGTも不要です。

3. フェイルオーバーの実行

▽今回は計画的なフェイルオーバーを実行してみます。リモートAZのPrism Centralから、フェイルオーバーを実行して、リモートAZのクラスターに仮想マシンを移動します。

▽フェイルオーバーを実行すると、リモートAZのcluster02上に仮想マシンがフェイルオーバーされて起動します。

仮想マシンのvNICを確認すると、DHCP用のvNICはDHCPで新しいIPアドレスが払い出されていました。また、固定IP用のvNICには、元の環境と同じIPアドレスがそのまま引き継がれていました。なお、MACアドレスについては、どちらも同じ値で引き継がれていることが確認できます。

ちなみに、固定IPの仮想マシンで個別に設定していたDNSIPアドレスもそのまま引き継がれていました。別のDNS IPを設定したい場合は、スクリプトでの対応が必要となるようです。

By default, you cannot preserve statically assigned DNS IP addresses after failover (DR) of guest VMs. However, you can create custom in-guest scripts to preserve the statically assigned DNS IP addresses.

https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Disaster-Recovery-DRaaS-Guide-vpc_7_3:ecd-ecdr-requirements-pc-r.html

今回は、ここまで。次回は、NGTとカスタムIPについて確認してみます。