2022年2月24日に新しいAOSのSTSバージョンであるAOS 6.1がリリースされました。今回は新機能の1つとして、PrismのExpand Cluster(クラスター拡張)機能に追加されたストレージ専用ノード(storage-only node)の追加を試してみました。
これまでExpand Clusterでは、新規ノードを通常のノードとしてクラスターへ追加する機能のみがサポートされていましたが、今回の新機能ではストレージ専用ノードもPrismからイメージングして追加できるようになりました。
目次
1. 今回の環境
Platform: NX-1365-G5
AOS: 6.1 STS
AHV: 20201105.30142
追加ノードもハードウェアモデルやリソースは同様
追加ノードは物理的に導入されており、既存クラスターが追加ノードのCVMをIPv6リンクローカルで検知できる状態
2. ストレージ専用ノードの追加
ストレージ専用ノードは、主にクラスターのストレージ容量の拡張を目的に構成されるもので、ハイパーバイザーは常にAHVでイメージングされますが、ESXiやHyper-VのNutanixクラスターへも追加することができます。
まずはじめに、追加ノードをクラスターが探知できていることを確認します。Prism Web Consoleの[ハードウェア]→[概要]タブに、追加予定のノードの台数が表示されます。今回は、1ノードのみを追加予定です。
ストレージ専用ノードを追加するには、Prism Web Consoleの設定メニューから「クラスタ拡張」を選択します。今回は追加ノードをイメージングし、そのままクラスターへ追加するので「Expand Cluster」を選択して「次へ」をクリックします。
[Select Host]タブで、検出されているノードを選択後、下へスクロールします。
追加ノードへ割り当てる以下パラメーターを入力し「次へ」をクリックします。
続いて、[Choose Node Type]タブのNode Typeで「Storage-only」を選択して「次へ」をクリックします。
続いて、「Networking」タブにて、デフォルトで作成される「br0」ブリッジ(仮想スイッチ)のアップリンクとして物理NICを指定し、チーミングの設定をします。
今回は、10G-NIC×2に対して「Active-Standby」の設定をしました。既存のクラスターも同様の設定です。設定ができたら「次へ」をクリックします。
最後の「ホストを...」タブでは、追加ノードのAOSとハイパーバイザーが既存クラスターのバージョンと異なる場合、再インストールを促す旨のメッセージが表示されます。
今回は追加ノードがAHVなので、既存クラスターからそのままAHV(AOS)のバイナリを取得し、再インストールしてくれます。選択されているAHVが既存クラスターのバージョンであることを確認して「Expand Cluster」をクリックします。
ハイパーバイザーやCVMの再インストールとクラスターへのノード追加処理が実行されます。(目安: 1ノード当たり15~20分程度)
ノードの追加が完了すると、ハードウェア画面で追加されたノードが確認できます。
ハードウェア画面で追加したノードのホスト名が正しく表示されない場合はこちらの記事を参照ください。
3. ストレージ専用ノードとして設定されているか確認
「ストレージ専用ノード(Storage-only node)」は、AHVでは「スケジュール不可のノード(Never-schedulable node)」ともいえます。AHVでスケジュール不可のフラグが立っていると、クラスター内の仮想マシンはそのAHV上へ移行したりすることができません。
追加したAHVの設定が「スケジュール不可」になっているかは、CVMから「aCLI」ツールで確認できます。任意のCVMで以下のコマンドを実行します。
[nutanix@cvm]$ acli host.get <AHVのIPアドレス>
追加ノードのAHVを指定して実行すると、以下のように「schedulable:False」となっていることが確認できます。
[nutanix@CVM]$ acli host.get 172.22.1.164
172.22.1.164 {
logical_timestamp: 0
node_state: "AcropolisNormal"
schedulable: False
uuid: "fe04c191-8b17-4172-865c-3abb3c5a91a9"
}
実際に、クラスターの仮想マシンをストレージ専用ノードへライブマイグレーションしようとすると以下のようにエラーとなります。
以上、PrismからもExpand Clusterでストレージ専用ノードの追加ができることが確認できました。
4. 要件や制限事項など
ストレージ専用ノードは、すべてのNXモデルでサポートされていますが、他社モデルについては各ハードウェアベンダーへ確認する必要があります。
その他ストレージ専用ノードにおける、SSDとHDDの要件やベストプラクティスなどについては以下ドキュメントをご参照ください。