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主にNutanix製品を検証したり触ったりした結果をつづっています。※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。実際に製品を使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施してください。

HYCU Backup Controller自身の保護について 【Nutanix AHV】

※このブログの内容は個人の見識や見解をもとに作成しています。参考にされる場合は自己責任でご活用ください。また、このブログで紹介している製品や機能を実際に使用される場合は、メーカードキュメントの手順に従い実施することを推奨します。

この記事は以下の通り連載です。
HYCU Backup Controller自身の保護について
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法①
HYCU Backup Controllerのバックアップ・リストア方法②

目次

はじめに

この記事ではバックアップソフト「HYCU」におけるHYCU Backup Controller自身のバックアップ・リストアについて紹介します。今回は、Nutanix AHVクラスター上にHYCU Backup Controller VMを展開して、仮想マシンのバックアップを外部のファイルサーバーに保管するというシンプルな構成図で解説します。

HYCUでは上図のように、バックアップソースとなるクラスター上にBackup Controllerを作成し、外部の保管先ターゲットにバックアップデータを転送して保存するという構成が一般的です。

この場合、Backup Controllerやクラスターに障害が発生すると、どのように復旧させるのか気になる方もいるかと思います。今回は次のようなケースを例に解説します。

HYCU Backup Controllerの障害ケース

HYCU Backup Controllerが単体で障害発生

HYCU Backup Controller が単体で故障した場合は、すべてのバックアップジョブやリストア操作が実行不可になります。この場合、Backup Controllerを復旧して元の状態に戻す必要があります。

クラスター全体で障害発生

プライマリクラスター全体の障害では、場合によってはローカルストレージのデータ破損もあるかもしれません。この場合は、プライマリクラスターを復旧させてから、仮想マシンやHYCUのバックアップ環境を元に戻す必要があります。

これら障害からHYCU環境を回復する方法ですが、次の2つを紹介します

HYCUバックアップ環境を復元する方法

方法①Nutanixのプロテクションドメインスナップショットからリストア

この方法では、Nutanixのネイティブ機能であるプロテクションドメイン(Async DR)のローカルスナップショットからリストアします。ただしこの方法は、プライマリクラスターのローカルスナップショットにデータ破損がないことが前提となります。HYCUでは、このあと紹介する②のように、独自の復元方法も提供されていますが、Nutanixのスナップショットも組み合わせて保護することが推奨されています。

<参考ドキュメント>
さらに安全性を高めるために、HYCU Backup Controllerの保護を、HYCU Backup Controllerをホストするソースの保護と組み合わせることをお勧めします。たとえば、Nutanix保護ドメインまたはVMware vSphereデータ保護を使用できます。詳細については、NutanixまたはVMwareの資料を参照してください。 

<引用元>
HYCUユーザーガイド>>災害復旧の準備
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=74

方法②復旧用のBackup Controllerを一時的に作成してリストア

こちらはHYCUのドキュメントで手順が紹介されている方法です。この方法では、復旧用のHYCU Backup Controllerを作成して、外部バックアップにアクセスし、元のBackup Controllerを復元します。事前にHYCUのポリシーをBackup Controller VM自身に割り当てて、外部にバックアップを取得しておく必要があります。外部にバックアップがありますので、プライマリクラスターにデータ破損があってもリストア可能です。

ちなみに障害が発生したプライマリクラスターで稼働していた仮想マシンやボリュームグループなどのデータが失われてしまった場合は、復旧用のBackup Controllerを使用して、外部バックアップからリストアすることも可能です。

このように、HYCUのBackup Controllerは、NutanixのプロテクションドメインやHYCU独自のバックアップ・リストア機能を使用して復元することができます。

次回の記事では、Nutanixのプロテクションドメインを使用したBackup Controllerの復元についてお見せしたいと思います。

<参考>
HYCUユーザーガイド > 災害復旧の準備
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=74

HYCUユーザーガイド > 第8章 データ保護環境の復元
https://download.hycu.com/ec/v4.7.1/help/ja/HYCU_UserGuide.pdf#page=151